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 国による民主化から、民による民主化成熟への道のりには、人間が生きることの意味への問い、生きる価値のおきどころ、世代循環するトポスの文化の見直しが必要である。それは、幼稚園・保育所・小学校といった分断された施設区分から、コミュニティの中での就学前から学童期を経て生涯にわたって展開される学習を構成していく視点でもある。地域の子どもたちの生きる場としての総体を受け止め、地域社会の環境・文化と共生する教育への転換は、学校化された知の限界を越えて知の所在や知を構築する関係のありようを転換し、知そのものへの問いを新たにするだろう。

 生の根元にまでさかのぼろうとする本企画は、人間・学び・学校・社会という共同体のトポスに焦点を当てて、従来の就学前教育が子どもたちに当てた光を再考しつつ、あわせて抱えてきた課題も浮き彫りにして、これからの知を構築する視座を掘り起こしたいと思う。

 なお、20巻にわたる本企画は、次の三つの特徴をもっている。一つは、幼稚園や保育所、総合施設等の多様化に伴い、本来の就学前教育の理念も児童福祉の理念も曖昧になり、幼児教育界を混沌とさせている現状を踏まえ、3歳児から低学年までを見据えた就学前教育に光を当てて“人間の教育”の根元に迫る。二つに、従来の幼児教育に関連した書籍の感覚としては、難しいという批判を浴びることを覚悟の上で、専門性を高めることを願う幼児教育者養成大学やキャリアアップを図る現職者だけでなく、広く一般の人々にも読んでいただけるような知の所在を考える。三つに、現在の幼稚園教員養成カリキュラムの内容を基本においてはいるが、今後の教員養成で必要とされる内容を加えて全巻を構成している。(はしがきより)
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